生活をしていく中で欠かせないのが住まいです。住まいは生活の基盤でもあり、住環境を整えることは、良い生活を送れるかを大きく左右します。自分の拠点である住まいを決める上で住宅を購入するのか賃貸にするのかは大きな選択です。
しかし、一軒家を購入した方が快適なイメージがありますが、住まいは賃貸が断然おすすめです。年齢とともに求められる住環境は変化します。かかる費用面でも維持費などを考えればお得な面がたくさんあります。賃貸でのメリットを紹介していきます。
一緒に暮らす家族の人数は変動する
住まいを決める上で家族の人数はとても重要です。しかし、家族の年齢も考慮して住まいを選ぶことは意外と少ないです。自分自身と配偶者の年齢と子供の年齢で求められる住環境が異なってきます。
子供がいない時は自分たち夫婦だけに合った環境を選べば良いです。職場への通勤のしやすさや近隣の雰囲気、買い物のしやすさなどで決めれば良いです。
子供が生まれてからは、子供の人数と年齢を考慮した住まい選びが求められます。治安や交通量で子供にかかる危険度が変わります。幼ければ幼いほど重要な要素です。学校や病院、公園の充実度も子供の成長には欠かせないです。
子供のために住まいを選んでも、子供はやがて親元を離れ巣立っていきます。自宅を購入している場合、夫婦二人にはオーバースペックだったり、年をとった自分たちに合わない住環境だったりします。
子供の成長を考えて住まいを選ぶことは重要ですが、子供の成長は速く、適した住環境も成長とともに大きく変わっていきます。ざっくりと5年スパンで考えていくと適した住環境が見えてきます。
子供が生まれてから5年まで
小学校に入るまで、3歳ころまでは子供の行動範囲が狭く、家を中心として、近隣に信頼できる病院や幼稚園、遊びやすい公園があるかがポイントになります。部屋数も夫婦だけの時と同じで問題ないです。
子供が生まれてから5~10年まで
小学校選びが始まります。通わせたいと思える小学校が近くにあるかが住まい選びのポイントになります。さらに子供の行動範囲が広がりだし、子供一人で行動することも増えます。交通量や治安が命を守る上でとても重要になります。
子供が生まれてから10~15年まで
中学校選び・高校選びが始まります。子供にも意思がめばえ始め、進路の希望も出てきます。将来の目標に適した学校に通える住環境が求められてきます。一人部屋も必要になります。親の影響より友人の影響を受けやすくなります。地域柄の良し悪しも人格形成に影響します。
子供が生まれてから15~20年まで
高校生活が始まり、高校卒業後は社会人に向けての進路を決める重要な時期です。進学・就職で子供の人生の方向性が決まりだします。子供が遠方へ進学・就職した場合、早ければ、この段階で子供が独り立ちします。
子供が自宅から通勤・通学する場合や、一時的に親元を離れるだけであれば、住環境は子供が生まれてから10~15年までの時と同じままで良いでしょう。
子供が生まれてから20~25年まで
子供が進学している場合は就職しだします。早ければ結婚し、独り立ちをしだす時期です。就職しても子ども自身の生活の基盤が安定するまでは親元で暮らすことも多いでしょう。部屋が余るか、子供が生まれてから10~15年までの時と同じままかの分岐点です。
子供が生まれてから25~30年まで
子供も社会人生活に慣れ、独り立ちや結婚をし始める時期です。子供が親元を離れ、自分たちの老後やそれぞれの親の介護を踏まえた住環境を検討する時期になります。今までと求められる住まいの条件が大きく異なってきます。
兄弟姉妹の人数・年齢差で総合的に考える
上記のように子供部屋が合ったほうが良いのが、10歳頃から25歳ころまでの15年間です。兄弟姉妹の年齢差が10歳以上であれば、年上の子供を独り立ちさせ、年下の子供に部屋を譲り渡すなどできますが、年齢が近いとそれも難しいです。
しかし、兄弟姉妹の人数に合わせた部屋数で自宅を購入すると、子供の独立後にはオーバースペックとなります。さらに子供が生まれてから25年以降になると必要な住環境が全く違ってきます。
自分たちの年齢・生活に合った住環境や親の介護問題など住まい選びのポイントが子供から大きくシフトします。15年+(第一子と末子の年齢差)でローンが完了するのであれば、賃貸住宅の家賃と月々のローン額を比較して住宅購入も検討の余地ありです。
自分のライフスタイルを描く
先程までは子供を中心に考えてきましたが、自分自身が送りたいライフスタイルとマッチしているかで人生の充実度も変わってきます。自分自身を取り巻く環境も踏まえて、ライフスタイルを描いてみましょう。
自分のワークスタイルを描く
自宅で過ごす時間と職場で過ごす時間は同じくらいのボリュームです。自分自身のワークスタイルに合った住まい選びをしましょう。
会社員であれば、多くの方がオフィスへの出勤の必要があります。通勤のしやすさが生活のクオリティに連動します。通勤時間や乗換なしで座って通勤できるなど住む場所で条件が決まります。
会社員の場合は異動の有無も大きなポイントです。異動の可能性がある時点で賃貸のほうが安心です。単身赴任か家族で転居するかになりますが、住宅ローンがあると身動きが取りづらくなります。
フリーランスや自営業の場合、仕事の拠点が自宅かオフィスを別に構えるかでも変わります現時点で自宅で仕事をする場合でも、将来的に仕事の規模が拡大したり縮小したり、仕事に適したエリアが変わったりすれば、賃貸の方が状況に合わせて融通がききます。
自分のライフスタイル・趣味に合わせる
基本的には住まいは賃貸がおすすめですが、ライフスタイルや趣味が住まいと関わるような場合は購入した方が良い場合もあります。ペットを飼いたい場合や、内装・インテリアにこだわりがある、自宅で楽器をするために防音設備がいるなどです。
ペット可のマンションもありますが、選択肢が少ないため自分に適した賃貸物件を見つけるのは大変です。住空間に重きを置いていれば、賃貸物件では満足できない場合も多いでしょう。楽器演奏や何かの工房を自宅でするなどの条件があれば、条件に合う賃貸を見つけるのは大変です。強いこだわりがある場合は条件にあった住宅を新築する方が早いです。
住宅購入で発生する思わぬ費用
定期的に発生する修繕などの費用
賃貸をおすすめする理由として、住宅を保有していると思わぬ費用が発生する事があるからです。自宅の老朽化で発生する維持費・修繕費です。給湯器・屋根・外壁などは10年単位で見直しが必要になります。実家が一軒家ですが、10年単位で突然、故障や問題が発生しています。
賃貸住宅であれば、契約内容によりますが設備はオーナーの所有物なので、オーナーが修繕の費用を負担するケースがほとんどです。住宅ローンと月々の家賃の単純比較では思わぬ落とし穴があります。
不定期に発生する住宅設備の追加費用
時代の変化とともに住まいに求められる設備に新たに追加が必要な場合があります。少し前だと地デジ化です。地デジ化に伴い、アンテナ設備を新たに用意しなければなりませんでした。最近だと4K8K放送などもそれに当たります。
最近だと共働き世帯も多くなり、宅配ボックスを設置している家も多くなっています。賃貸の場合はオーナー判断になりますが、新たな入居者を確保するために競争原理が作用し、導入するところが増えています。
その他の差が出る費用
マンションの場合、インターネットが無料だったり、一軒家よりも費用が安い場合が多いです。一軒家との差額でも月に1000円から2000円は違うのでメリットが大きいです。さらに台風・地震などに被災した場合も、購入している場合は自己責任ですが、賃貸の場合は責任の範囲が限られてきます。不便が生じれば転居することも可能です。
費用のシミュレーション
支払総額が3000万円 25年(300ヶ月)ローンの場合
月々のローン支払額が10万円です。
外壁屋根の補修
10年ごとに120万円の費用 月1万円の積立が必要
給湯器
10年ごとに12万円の費用 月1千円の積立が必要
インターネット
月1千円ほどの差
上記の費用面以外にローンで払う利子の額も増えてきます。月1万2千円ほど賃貸の家賃が高くても、設備面の追加出費などを考えればメリットがあります。
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